まつやま鍼灸接骨院&スポーツジムのブログ

兵庫県尼崎市武庫之荘にある接骨院&スポーツジムです。リハビリやトレーニングについての情報や院内での出来事を発信しています。外反拇趾や巻き爪などの足の問題やスポーツ傷害、トレーニングについてのお悩みいつでも相談受付中。皆さんとの出会いを楽しみにしております。

前十字靭帯靭帯損傷のリハビリ

f:id:matsuyama6:20181221212204j:plain

 前十字靭帯の損傷はスポーツ中に起きる重度の外傷です。人との接触だけでなく、ジャンプの着地や切り返し動作での受傷も多い外傷です。

 そしてほとんどのケースが手術となり、復帰までに6ヶ月以上のリハビリが必要となります。

 今回はその手術後のリハビリの流れについて説明していきたいと思います。

 

再建靭帯の種類による違い

 前十字靭帯(以下ACL)の再建に使う靭帯には2種類あります。1つ目が膝のお皿から脛についている膝蓋腱の一部を使用するBTB法。2つ目が腿裏にある半腱様筋という筋肉の腱を使用するST法です。どちらにもメリットとデメリットがありますが、競技復帰までにかかる時間は大きくは変わりません。またどちらの方法で手術をするかによってリハビリの方法が少し変わってきます。

 BTB法ではリハビリの過程で膝前面の痛みが出やすいので、そこに注意しながら行わなければいけません。ST法では膝を曲げる筋肉の腱を使用するので、膝を曲げる筋力をしっかりと戻す必要が出てきます。

 

リハビリ初期

 リハビリの初期では可動域の獲得と筋力による関節安定性の獲得を目指します。動作としては正常歩行と片足立ちがしっかり出来ることを目指します。

 この時期の可動域の獲得は非常に重要です。早めに膝が完全に伸びる様にしましょう。曲げる方は何段階かに分けて徐々に曲がる様にしていきます。

 筋力トレーニングは再建した靭帯にストレスがかかり過ぎないように注意しながら行っていきます。術後3ヶ月からジョギングを始めますが、その際に必要となる膝の安定性を確保するために、術後2ヶ月頃から本格的にトレーニングを行っていきます。

 メインとなるのがスクワット動作です。足に体重が掛かった状態で行うエクササイズの方が再建靭帯にかかるストレスが少ないので、スクワット動作を使って下半身の筋力を戻していきます。

 

ジョギング開始後 術後約12週〜

 ジョギング開始後は走動作のレベルを上げながら、ジャンプ動作やサイドステップなどが安全に行えるように訓練していきます。膝の影響で走るフォームが崩れてしまうので、フォームの修正を行いながら走るスピードを徐々に上げていきます。

 ジョギングやジャンプなどで起きる動作のエラーは膝だけの問題ではない事が多いので、股関節や足関節周囲の筋力トレーニングも行いながら動作のレベルを上げていきます。特に片足でのジャンプは今後のダッシュや切り返しなどのスポーツ動作にも繋がってくるので、動作の習得と筋力強化をしっかり行う必要があります。

 

ダッシュ開始後

 ダッシュの練習をしながら、少しずつ切り返しなどの練習を始めます。また、この頃から簡単な競技動作にも慣らしていきます。どの程度の競技練習をするかは、リハビリの進み具合によって決めます。特にコンタクトのある球技等では人とぶつかる練習もしていく必要があります。

 切り返しはダッシュやリアクションなどと組み合わせて、方向転換のスキルを高めていきます。切り返しで受傷してしまった場合はしっかり時間をかけて動きを確認していきます。

 この時期には練習への復帰を考えて、心肺機能の強化も忘れてはいけません。長時間動き続ける事ができる持久力やダッシュを繰り返すような間欠的な持久力を少しづつ戻していきます。

 

練習の部分参加〜競技復帰

 医師からの許可が出たら対人練習以外の基礎的な練習メニューへ少しずつ復帰していきます。

 そして基礎練習に参加しつつ、別で1対1などの対人動作の練習をしていきます。1対1はどうしても恐怖心や苦手意識が出てしまうので、そういった感覚を段階を踏みながら慣らしていきます。

 医師からの許可と対人動作が問題なく行えたら、完全復帰となります。

 

終わりに 

  今回は前十字靭帯再建術後のリハビリの流れについて、大まかにまとめてみました。かなり大雑把になってしまいましたが、細かいことを書いていくと1回では書ききれないのと、術式や競技によっても変わってくるのでご勘弁ください。ご質問等頂ければ出来る限り詳しくお答えさせていただきます。

 機会があれば段階ごとのポイントや競技別のポイントなども書こうと思います。